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APF 国内取材シリーズ:1

家族崩壊

〜親が子を殺し、子が親を殺す〜

 何とも恐ろしい話だが、こんな事件が昨年は400件を越えた。いわゆる「家庭内殺人」である。

 こうした事件はほとんどの場合世間でいう「普通の家庭」で起きている。勘違いがきっかけで殺人事件が起きてしまう「普通の家庭」とは一体どんな状況にあるのだろう?家庭のなかで一体何が起きているのか?親子のコミュニケーションはどうなっているのか?今回は親子の関係について考えてみたい。

 先日取材で家出女子高生に会った。なぜ、家出をしたのかについて彼女は「親を嫌いになる前に家を出たかった」という。家出をするまでのあいだ、親とはコミュニケーションをとらないことで親子関係を維持してきた。親もまた彼女に対しては、必要以上の干渉はしてこなかったらしい。つまり、一つ屋根の下で生活はしているものの、肝心の親と子のコミュニケーションはなかったのである。親と子は互いに、互いのことをまったく知らない。居場所としての「家」はあったが、そこに心が宿る「家族」の精神的な場所は無かった。確かに今の社会状況を考えると、家族がコミュニケーションを密にとるのは至難の業であろう。ほとんどの家庭が共働きで、子供たちもまた、深夜まで塾通いという時勢である。顔を合わせるのも難しいなかで、意思の疎通などはかれるわけがない。いつしか名ばかりの家庭の中で家族関係が崩壊してゆくのは、さほど難しいことではないのかもしれない。

 いまの子供たちが「叱られたい」という意識、欲求が強いというのは、オウム取材のときにも信者の話を聞くたびに感じたことだった。叱るといっても、むやみやたらに叱るのではない。子供の気持ちや感情を理解した上で叱る「叱り方」が今の親にはなかなかできない。オウムの麻原は、「私は君たち信者のことを真から理解している」と「思わせる」ことがうまかった。

 管理を嫌う親の世代は、子供に対して自分の人生だから親は口出ししないなどと、子供の意思を尊重しているかのように「放任主義」を展開するが、当の子供はもっと親との関係を求めているのではないだろうか。放任主義は聞こえがいいが、それは「ほったらかし」と同意語になっているように思う。放任主義を貫くならば、親は子供に対して見本となる大人の姿を見せなければ子供はどうしていいか分からないのである。これが現代の、「普通の家庭」の姿である。 家族の関係、親子の関係は摩擦を嫌うのではなく、お互いを曝け出し、時に喧嘩をしながらでも維持して行かなければ、この国の家族はどこへいってしまうのかわからない。

 いま、「普通の家庭」が一番危険なのである。子供にとって社会の縮図ともいえる家庭の崩壊はこの国の崩壊に等しいのだ。
(山路 徹)



Live ポジティブな親不孝のすすめ Live


普通であることを強いられるが故に、方向を見失う子供たち。
社会の一員として育つために、「普通」であることは果たして良策なのか?
今回のAPF Live、大人たちには「普通」から脱した意識の変革を、
子供たちには前向きな「親不孝」を提言する。

収録が長時間に及んだため、後半部分のダイジェストとなっていることをご了承ください
話題の人です ホントはおちゃめ! 通称エドさん!
今 一生

こん いっしょう
山路 徹

エドワード・ハーター

Edward Harter

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On demand (32"00')
1965年群馬県生まれ。
コピーライターを経て、25歳よりフリーの雑誌記者となる。'97年に初編集した「日本一醜い親への手紙」がベストセラーに。また、その続編「もう家には帰らない さよなら 日本一醜い親への手紙」も、現在売れ行きを伸ばしている。
アメリカ出身、東京在住6年。コンピュータと人間の関わりについて、「ネットワーク」をキーワードに探求する。また、日本の学生たちとの交流も深い。
A-Syncでも、Webのオーサリングと新しいコンテンツの開拓を担い、"NASA Web"を担当する。


プロデューサー : Nyan 夏井
ディレクター  : Hiro ハタノ
カメラ     : 片山浩秋 (APF通信社)
制作進行    : mai
Webデザイン : Hiro ハタノ
HTML    : Hiro ハタノ
エンコーディング: Hiro ハタノ


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